突然舞い戻った亡き主の弟が異様な殺気を漂わせる。ただのサイコものかと思いきや、ノンノン、残された一人娘がワーキャー言いながら逃げ惑ったりは決してしない。それどころか、邪悪な男の本性に刺激され、眠っていた狂気が次第に覚醒していくのだ。お迎えにきたサイコの使者と魂を交信させる娘とのおぞましいさまを、まるでクラシックを奏でるように優美に描くパク・チャヌク監督のセンスに酔うその一方で、観終わったあと、ジワジワと押し寄せる強烈な二日酔いに恐れおののいた。