大島渚が反国家剥き出しで挑んだ幻のドキュメンタリー。太平洋戦争で傷を負った日本軍在日韓国人が補償を巡って日韓政府に翻弄される姿に迫る。肉体的に大きな傷を負った元兵士たちの悲惨な姿を食い入るような寄りの映像で赤裸々に映し出すことによって、彼らの内側に湧き起る「怒り」を共有し、そして観る者に「俺は許せん!お前らはどうだ!」と突きつける。いま、隣国との関係がギクシャクする中、「日本人たちよ、私たちはこれでいいのだろうか」という50年前の問いかけが2014年の現代に響いてしまう恐ろしさ。