自主映画をユーロスペースに持ち込み一般公開まで漕ぎ着けた製作者の情熱に、まず拍手を送りたい。映画は・・・うーん、何かのアクシデントがあってバンドを辞め、今はコンビニ店員に甘んじている若者、というパターンが見えた時、あーヤバイなぁと思ったが、悪い予感が当たりつつも微妙なズレ(あるいは無意識にズレたのかな?)やツッコミどころ満載の甘さ、曖昧さが逆にどんどんスクリーンに僕を引き込み、最後は岡林信康withはっぴいえんどの名曲「私たちの望むものは」を大音量で挿入し、逃げ切ってしまうところがずるいというか、凄い。70年代の舞台設定を2013年に持ち込む無謀さも、大木萌という監督の花火思想なのか・・・花火思想?これ、いい言葉だなぁ。(試写)